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〈展示会レポート〉牧野標本と現代の作家たち展(2024/4/5~4/8)

2024.09.22

プラントアートの脱気密封技術「プレートパウチ」


私の花生活創刊25周年を記念して、2024年4月5日~8日まで、日本ヴォーグ社クラフティングアートギャラリーにて「牧野標本と現代の作家たち展」が開催されました。


この展示会で、牧野標本館・加藤英寿助教制作の色鮮やかな野菜の植物標本がプラントアートの脱気密封技術「プレートパウチ」で透明感のあるクリアパネルに収められ、多くの来場者の目を驚きとともに楽しませました。



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「プレートパウチ」とは


プラントアートの脱気密封技術「プレートパウチ」とは、植物標本を2枚の透明アクリル板にはさみ、それをバリアフィルムで作られた専用透明袋に入れて脱気弁から空気を抜き、脱気・シーリング加工を施すものです。


特許第6184444号)


これをクリアパネルにはさんで展示します。


クリアパネルの四隅の留めネジは数センチの長さがあるので、これが壁面と展示標本に隙間を作り、それがより透明感を演出するのです。


「バリアフィルム」とは植物標本を水蒸気や酸素などの外部要因から守るために高いバリア性能を備えたフィルムです。


これによって、植物標本の品質を長期にわたって保持することが可能になり、色も長持ちします。


脱気密封によって標本が袋の中でしっかり固定されるので、破損のリスクがとても少ない展示方法です。


展示後、袋をカットして標本を取り出せば、また元通り標本庫に収蔵できます。






















牧野標本館 加藤英寿助教制作の色彩豊かな野菜の植物標本


※プレートパウチした植物標本を額装しています。(「私の花生活No,111号」より)




植物標本には「実物としての情報を残す」役割があります。


そこに「色」の情報が残れば、見るものをこんなにも楽しませてくれるのです。




〈ヒメリンゴ〉





〈マンダリンオレンジ〉





〈カブ〉





〈スイカ〉





〈オクラ〉





〈キュウリ〉





〈ダイコン〉





今回の展示会は本物の牧野標本12点とともに、現代の植物学者の、見るも楽しい野菜の植物標本7点が展示されました。


植物標本の世界をこんなにも楽しく見せてくれる植物学者が現代に存在すること、牧野博士もきっと喜んでくださっているに違いないと思うのです。


加藤先生、多大なるご協力を誠にありがとうございました。