4. 植物標本を作製する際の注意点

学術標本として役立つ標本を作製するためには、いくつか気をつけなければならないことがあります。
まず植物を採集するときは、その植物をよく観察しましょう。
植物の体は根・茎(樹木の場合は幹と枝)・葉・花・果実・種子(シダの場合は胞子)などから成りますが、できるだけ多くの部位を標本に含めることができれば、その植物の様々な特徴を残すことができます。
特に花や実、胞子のような生殖にかかわる器官には、それぞれの種の特徴が現れやすいので、少なくともこれらが着いている標本をつくると良いでしょう。
ただし、植物標本は新聞の片面を半分に折りたたんだサイズ(1枚あたりおよそ30cm×40cm以内)に収める必要があります。
長い枝は折り曲げるか、切断して並べても構いません。
葉や枝が重なりすぎて観察しにくい場合は2枚以上に分けて標本を作製しますが、その場合は同じ個体の標本であることが分かるように同じ標本番号を付けます。
異なる個体から採集した植物は、同じ種類であっても別の標本と見なして、別の標本番号をつけますが、
小型の草本は、新聞紙半分に収まる範囲で数本採集します。
乾燥中に葉や花が枝から外れてしまった場合は、紛失しないように封筒か紙を折って作った袋にいれて、標本と共に挟んで乾燥させます。
果実や種子は一部を封筒か紙袋に入れて、プレスせずにそのまま乾燥させると、壊れずに立体的な形を残すことが出来ます。
標本の作成方法は植物の種類によって経験や工夫が必要ですので、自分で試行錯誤するか、あるいは博物館などの専門家に教えてもらうと良いでしょう。